E9xのDSC手抜き修理法
BMW E9xに搭載されているDSC(ABS)の手抜き修理をやってみました。
ある日突然起こる
BMWに限らずらしいですが,E9xはある日突然見慣れないランプが点いてABSが故障します。
こんな感じで,ある日突然故障はやってきます。
こうなると,ナビ画面は警告で占領されるは,時計は表示できないわで不便極まりないのと,
ABSとDSCを始めとした安全装備とDTC,クルーズコントロールがDisabledされてしまい,場合によっては危険です。
で,この手の故障の原因はたいていABSの故障なんですが,
ABSの故障もABSのコントローラ側の故障とポンプ側の故障とがあるようです。
BMW E9xについてるABSはAte製のABSで,Mk61と呼ばれているモデルです。
調べてみると,同型のABSは4輪車だけではなくBMWの2輪車にも使われているらしく,
どうも2輪も同様の故障をするようです。
こうなった場合、ディーラ等の修理ではASSY交換するらしく,修理費が30諭吉程度になるとか。。
自分の車もあいにくこうなったわけですが,ボーナス時ならまだしも,ちょっとそんなに出費はできない。。
ということで,もっと安く修理できる方法を探してみました。
どうやって修理する?
1. リビルド修理(予算:4万〜10万)
どうも外車のABSってよう壊れる上に修理が高いらしいんですよね。
そのせいなのか,ABS修理でググると国内でも何件かの業者が修理してくれるようです。
ただ,修理可能だとしても,国内だとABSを単体テストできる機器を持ってるところは
少ないんじゃないかと想像します。
なので,おそらくある程度直してから実車に乗せて修理できたかをテストしてるような気がして,
それだと修理上がりの結果が不安だなと思ったんです。(テスターがあれば、テストモードで全部テストできるはずなので)
海外のフォーラムを見てると,ABS修理ではECUTesting.com というイギリスの業者が有名らしく,
ここはちゃんとテスターがあるようなので(自分の車から外して郵送で送るとテストして結果を教えてくれる)
もしABSをちゃんと修理したいなら,こういう業者に出すのが安全かなとは思います。
ただ、自分で外さなきゃならないのと、時間がかかる、関税が掛かる場合がある(?)ので、外すのに自信が無ければ、国内の業者さんで修理もありかなとは思います。
ちなみに,お値段は約4万円程度のようです。
2. 中古品とスワップ(予算:4万〜)
ebayなんかにたまに出ているE90のABSポンプとスワップするという方法もあります。
ただ,値段がやはり4万程度するので,リビルド修理しても大体同じ値段ですし,何より程度と保証がまちまちなので,
イマイチ感はあります。
あと,中古品を入手するときはRealOEM等で自分の車との適合を調べておく必要があります。
年式によってABSユニットはバリエーションがあるらしく,いろんなのがヒットします。
また,中古品とスワップする場合でコントローラ側を交換する場合,交換後にコーディングしないとダメです。
自分の車とVINコードが違うのでそのままつけても跳ねられます。
もしポンプ側だけをスワップしたいならコントローラは元のコントローラを使うほうが楽です。
3. だましだまし使う(0万〜)
というか,今回はこれが本題です。
どうも外車のABSって壊れやすいというよりは,なんか電気的にシビアになると弱い感じがしてます。
(結構ABS自体が故障してるのではなくて,バッテリーヘタっていてエラーが出たとかもあるらしいですし。。)
自分の場合,INPAでダイアグを読んだ時に,残っていたコードが明らかにポンプ側の故障だったので
ポンプのモーターが怪しいと思ったんです。
実際,BMWの2輪で起こるABS故障の原因がポンプモーターの不良らしく,
ある日突然モーターのカーボンブラシと回転子との接触が悪くなってしまうというものでした。
それで,とりあえず最悪はリビルド修理に出すことを覚悟で,半日でできる手抜き修理を試みてみました。
DIY修理する
なにはともあれ,ABSを摘出する。
もうね,とにかくね,外しにくいんです。
右ハンドルなので右側にあるんですが,
作業スペースがない,フルードの配管が邪魔してユニット外しても取り出せないで相当難儀しました。
コツは配管をできるだけどかしておいて,ABSのコントローラ側から上に回しながら外すことですかね。。
(表現が難しい。。)
あと,フルードのリザーブタンクからフルードを抜いとくとABS外してもほとんど出てきません。
ABSをバラす
E9xのABSユニットはコントローラとポンプに分離できます。
家庭の万能潤滑剤 5-56
5-56ではないですが。。
ポンプのモーターに2-26(接点復活剤)を吹き入れます。
というか,良い子は真似しちゃだめです 多分。
外したABSのポンプ側の真ん中ら辺に穴があいており,奥がモーターの電極になっています。
で,この電極に適当なリードを刺して抵抗値を測ってみるとモーターが死んでるかがある程度判断できます。
正常なら数Ωですが,死んでると数kΩになってると思います。
本来ならアルミのポンプハウジングからモーターを外して,
モーター自体を分解して清掃するのが良いのですが,構造的にモーターを外すのが難しいため,
今回は内科的な方法で対処療法します。。
で,使うのは接点復活剤です。
呉の2-26かコンタクトスプレーあたりがいいでしょう。
それをモーターを横向きにして,電極の左側の穴に少量吹き入れます。
くれぐれも下向きにしたままやらないほうがいいでしょう。(実験済み)
吹き入れたら,適当なリードをつないで電源をつないでモーターをしばらく回してみます。
モーターがあたたまる程度にまでまわしたら,電極の極性を逆にして反対方向に回します。
こうしているうちにうまいくけば吹き入れた接点復活剤が回って,突然モーターの動きが軽くなります。(音で判断可)
まとめ
とりあえず治った? かも。
自分の場合は上記の方法で治ってしまったようです。
その後,逆の手順で車に戻してエラー消去後,ブレーキラインのエア抜きしたのですが,
今までのところ再発していません。
結局,450円の接点復活剤で治ってしまいました。。
おすすめはしませんが,自己責任でお試しあれ。
初めまして。
私のE92も全く同じ症状が出てしまい、こちらの記事を参考にしてDIYしてみました。
モーターにリード線を繋いで12Vバッテリーから直接電流を流した所、モーターが動いたのですがその後全く反応がなくなり何度試してもモーターが回りません。
配線に電流が流れているか調べましたが配線に電流は流れています。
モーターが焼けてしまった可能性もありますが、焼ける時の焦げ臭い感じは皆無でした。
なにか考えられる原因があればアドバイスをお願い致します。
はじめまして。
> モーターにリード線を繋いで12Vバッテリーから直接電流を流した所、モーターが動いたのですがその後全く反応がなくなり何度試してもモーターが回りません。
これ,ひょっとするとカーボンブラシがかなり減ってるとかで,回転子が固着しちゃったりしてませんでしょうか?
# ゴムハンマーで軽く叩くと動くとか。。
結局,E92のABSはモーターの出来の問題らしくて,根本的にはブラシ交換するしかないようで,
私もしばらくはこれで騙し騙し乗ってたのですが,はやり症状が根本的に解決したわけではなかったので,
その後,ECU Testing にABSユニットごと送りまして,
245ポンド(4.7万円当時)で根本的に修理してもらいました。
大体2週間程度かかりますけど,多分,国内でリビルド修理するよりも圧倒的に安いのでオススメです。