湿温センサーあれこれ (DHT11 AHT21 比較)

はじめに

我が家では、各部屋にESPHOMEベースの湿度温度センサーを取り付けて、Graphanaで可視化したダッシュボードを構築している。
これによって冷房の効率を考えたり、ロスナイを使うタイミングを考えるのに利用している。

で、この手の湿度・温度センサーは色々なものがあるが、現在入手性が良いものの筆頭は多分 中国深センのAosong(ASAIR)社から出ているのDHT11とかDHT22だと思う。これらは、Arduinoのチュートリアルにも良く出てくるし、実際Amazonで数百円で購入できるので入手性も良い。

左から BME280(おまけ)、DHT11、AHT21

実際我が家で構築している上記のシステムもDHT11と、同じくASAIRから出ているAHT21を利用している。

DHT11/DHT22は接続が1-wireで、VCCとGNDの他にデータ用の信号の3本で接続できる。(実際は4本出ているが、1本はダミー(NC)である。) 一方、AHT21は接続がI2Cなので、VCCとGNDの他にSDA信号とSCLクロックの接続が必要で4本接続である。(その代わりI2Cはバスなので、複数のI2C機器を同じバス上に数珠つなぎできる。)

で、これらのセンサーの問題は、室温はともかく、湿度がかなりセンサーによってバラつくことである。以下のグラフは湿度をプロットしたもので、青(DHT11)とオレンジ(AHT21)は同じ部屋の湿度を示しているのだが、傾向はともかく絶対値がかなり違うのである。グラフから言えるのは、センサーによって大体10%くらいは違う値を示している。

湿度の例。同じ部屋なのに、センサーによってかなり値が違う。

ここでの疑問は、どっちのセンサーがそもそも正しい値を示しているのか?ということである。 そこで、今回は飽和食塩水(NaCL)と乾燥剤(シリカゲル)を使ってこれらのセンサーの正しさを確認する。


湿度環境を作る

家庭にあるもので湿度環境を作るには、食塩(NaCl)と塩化マグネシウム(MgCl2)(要するににがり)の飽和水溶液を使った方法がある。例えば、食塩を水に溶かして溶けきれなくなった状態のもの(飽和水溶液)を密閉空間に放置すると湿度約75%の環境を作ることができ、にがりの飽和水溶液を使った場合は湿度約33%の環境を作ることができる。食塩は大体の家庭にあると思うが、にがりは豆腐でも作らない限り無いので、今回は低湿度の場合は湿気取りのシリカゲルで代用する。

適当な茶碗に水に溶けきれない量の食塩を入れて、下記のように密閉容器にセンサーを入れてしばらく放置する。今回は比較のために、ダイソーで売っているアナログ式の湿度温度計とデジタル式の湿度温度計も一緒に入れてみる。

計測(湿度75%)

この状態で数時間放置したところ、ダイソーのアナログ式湿度計がおおよそ74%付近を指して安定した。一方の、デジタル式の湿度計は83%と想定よりもかなり高い値を示している・・・。

この時のDHT11とAHT21の湿度は以下のようになった。

結果から言えるのは、ダイソーのアナログ式湿度計は割と正確であり74%付近を示し、AHT21も大体75%付近を示しているのに対して、DHT11とダイソーデジタル式は実際の湿度よりもかなり高めに観測される事が分かる。

ダイソーのデジタル式温度湿度計は、実は温度はサーミスターで湿度は抵抗式湿度センサー(HR202)を使用している。DHT11も実は温度がサーミスター、湿度は抵抗式湿度センサーを利用しており、抵抗式湿度センサーは実際よりも高めに値を出力する傾向にありそうである。一方のAHT21は抵抗式ではなく、湿度で静電容量が変化する薄膜を使った静電容量方式のセンサーであり、出荷時に一応校正されているらしい。

計測(湿度25%)

今度は、ケース内にシリカゲルを利用した除湿器を入れて湿度を下げてみる。

白いデカイのがシリカゲルが入った除湿機。中にヒーターが入っていて、コンセントにつなぐことで内部を乾燥でき再利用できるすぐれもの

シリカゲルは容量と容器の密閉度合いにもよるが最終的には湿度0%まで乾燥してしまうので、一応信用できるダイソーのアナログ式除湿計を見ながら湿度25%付近まで除湿を行った。

グラフを見ると、ダイソーのデジタル除湿計は若干高い値を示すものの、湿度が低い側は割と正確なようである。(校正されているのかもしれない)一方で、DHT11はやぱり10%程度高い値を示す傾向にあった。AHT21は安定して25%近辺を示しており、やはりちゃんと校正されているようである。

結論

  • AHT21の湿度は校正されておりDHT11よりも正確と言える。(多分そのままRAW値を利用しても問題ないと思われる)
  • DHT11は安価ではあるが、湿度計として利用する場合はRAW値をソフトウエア的に処理するなど校正が必要
  • ダイソーのアナログ式(バイメタル式)湿度計はそれなりに正確
  • ダイソーのデジタル式湿度計(300円)は湿度が高い領域ではアテにならない

今後の課題

  • 湿度が低いケースをシリカゲルではなく、飽和塩化マグネシウム水溶液で行うことで湿度33%の環境を作れるので実験してみたい(2点の基準点が取れれば、ソフトウエア的にRAW値を補正してやればよさそう・・・)
  • 今回は湿度だが温度も大体同じ傾向を示すとは言え割と差があるので、温度センサーも同様に比較をしてみる必要がある

Leave a Reply

Your email address will not be published.